直接材と間接材の違い-間接材領域における一般的な課題とは-

この記事では、冒頭で直接材と間接材の違いについて説明し、前半以降では特に間接材コスト削減について焦点を当てています。多くの企業で間接材の調達プロセスに様々な課題を抱えています。3点紹介する代表的な課題が自社に当てはまる場合は改善による効果も大きい場合がございます。是非、見直しの可能性を踏まえて本記事をお読みいただければ幸いです。

直接材と間接材の違いを知る

まずは、直接材と間接材の違いについて簡単に説明します。

直接材とは

直接材の定義とは、製品の製造プロセスで直接消費され、最終的に製品の一部となる材料を指します。言い換えれば、直接材は製造に必要な主要な部品や材料を指し、それらは製品コストに直接的な影響を与えます。直接材は製品そのものに使用され、売上に直結する極めて重要な位置付けのため、多くの企業で専門部署(調達部や購買部)を持ち、戦略的に調達活動を行っております。

直接材とは、自動車製造業を例とすると、自動車を生産するのに必要な部品やパーツを指し、具体的にはエンジンに使用されるピストンや、ドア部に使用される窓ガラスなどが該当します。

間接材とは

一方で間接材の定義とは、製造プロセスを支えるために間接的に使用されるもので、製品自体には直接組み込まれない材料を指します。間接材は直接材に比べて戦略的に調達活動が行われているケースが非常に少ないです。理由は、企業にとって重要調達品ではないことや、専門部署がなく各拠点や各部署の担当者が属人的に調達活動を行なっているケースが多いからです。

間接材とは、電気代やガス代などのエネルギー関連費用や、工具や機械の保守用油脂、ユニフォーム類、オフィス用品等、様々な商材が該当します。このように間接材料域は多種多様な品目群で構成されています。

間接材の具体的品目群を知る

直接材領域に比べ、間接材領域の品目は多岐に渡ります。なぜなら上述した通り、原則、製品に使用される費目以外のコストが間接材コストとなり得るからです。エネルギー関連のコスト(電気代・ガス代など)から、OA機器費用(複合機・PCなど)、更には施設管理コスト(清掃委託費・消防設備点検委託費など)等の多岐に渡る品目が該当します。下記の間接材料域に該当する品目の一部を抜粋した画像をご確認ください。
※業種や業態により、間接材コストではなく直接材として計上している品目がある場合がございます。

間接材購買における一般的な課題

発注すべき品目数が多くサプライヤーとの情報ギャップが生まれやすい

間接材購買の1つ目の課題として挙げられるのは、『品目群が多岐に渡る』という点です。冒頭でお伝えした通り、間接材とは直接材(製品に使用される部材)以外で使用される商材全般を指す為、エネルギー費用・OA機器・施設管理費・MRO品・保険料など品目が非常に多岐に渡ります。

これらの間接材品目を扱うサプライヤーに対して相見積もりや価格交渉などを行う際には、必ずサプライヤーと同等レベル以上の知識を持っていないと、良質な交渉結果は得られません。その為、間接材コスト削減を最大化するためには、管理者が各間接材品目で高いレベルの知識を得る必要があります。

しかし、品目数が非常に多い為、管理担当者が全ての間接材品目でサプライヤーと同等レベルの持ち、価格、納期、品質などの情報を把握し、適切なコスト適正化プロセスを踏み、最適なコスト削減を実現するのが極めて困難です。このようにサプライヤとの情報ギャップがある状態でのマネジメントでは良い成果を生み出せないでしょう。

拠点・部門・担当者ごとに分散発注している

間接材購買における2点目の課題は、スケールを活かした購買ができていないという点です。直接材は製品の生産に直接用いられる材料のため、厳密に仕様・品質・納期を定義する必要があります。その為、調達部や購買部などの専門部署が一元管理し、全社必要分を取りまとめて購買活動を行なっています。直接材はこのように同一企業内で分散されてしまうケースがあまりないです。

一方で、間接材は製品の生産に直接関連しないため(=重要購買品ではないため)、各拠点・各部門・各担当者が、自分たちのニーズに応じて自由に発注することが多くなります。本来であれば、全社横串のスケールメリットを活かした購買活動をすることで、購買価格の適正化を強く推進することができます。1拠点・1部署単位ではさほど金額規模が大きくない場合でも、全社横串で見ると大きな母集団を形成することができるのです。これはぜひ利用したい購買方法となります。

マーケットプライス(市場価格)がない・分からない

3点目の課題として『間接材領域における市場価格がない・分からない』という点が挙げられます。皆様はご自身が契約している複合機のカウンター単価が、全国的な相場と比べ適正だと言えるでしょうか。多くの企業はサプライヤーからの提案を鵜呑みにし、自社の価格が適正かどうかなど考えずに契約をするのではないでしょうか。

間接材領域は、担当者の情報レベルがサプライヤーに対して低い傾向にあるため、サプライヤーからの提案価格(見積もり価格)が適正な価格かどうかを判断するのが難しく、結果としてコスト削減の機会を逃してしまう可能性があります。また、価格を比較するための基準がないことで、サプライヤーから提示された価格を受け入れざるを得ない状況に陥りやすくなります。

間接材領域の改善が経営基盤強化に繋がる

昨今、大企業を中心として間接材のコスト削減や調達プロセスの効率化に力を注いでいる傾向にありますが、その背後には経営基盤強化への期待が込められています。

間接材領域の改善が経営基盤を大幅に強化する理由は、その活動が企業全体の業績に直結するからです。コスト削減は利益向上に寄与し、調達プロセスの効率化は業務の生産性を高めます。

上記の課題に当てはまる場合は、業務改善・コスト改善の余地があります。是非、自社の間接材購買実態を振り返り、改善余地がないか確認してみましょう。